【米株】5月の雇用統計・ISM景況感指数・6/8政策金利予測まとめ

この記事は、「5月の雇用統計はどうだったの?」「ISM景況感指数はどうだったの?」「6/8政策金利予測は?」という情報をサクッと確認できます!

5月の雇用統計・ISM景況感指数

FRBが懸念している、インフレ・雇用に着目し、以下の観点を抑えます。

  • (インフレ)ISM景況感
  • (雇用)雇用統計

(インフレ)ISM景況感指数

6/1、3に発表されたISM景況感指数のまとめです。

ISM景況感指数は、「新規受注」・「雇用」・「入荷遅延」等の項目に関して、前月と比較して改善したかどうかの総合指数となります。指数が、50を下回ると景気後退、50を上回ると景気拡大を示します。また、各項目に関する景況感を表2,3に示します。前月と比較し、±5%変化している項目に関しては、赤/青で、60%以上の項目に関しては、黄色で色を付けました。(出展:https://www.prnewswire.com/news/institute-for-supply-management/)

図 ISM景況感指数推移を確認すると、非製造(サービス)業は前月より低下、製造業は前月よりも上昇しています。製造・非製造ともに50を超えており、引き続き強い景気であると言えます。表2より、詳細項目を確認すると、サービス業においては前の月と比較して、受注残が改善傾向にあります。入荷の遅延・価格に関しては、前月比で改善がみられるものの、どちらも60を超えており、依然として課題となっている状態です。また、新規輸出受注も60を超えており、需要の強さが伺えます。今月は大きな動きではなかったものの、価格・入荷遅延など、インフレ・物流問題がサービス業界にも蔓延していることがわかります。サービス部門全体のコメントを確認すると、Growingであり、変化の速さはSlowerとなっています。サービス部門から見る景気は引き続き強いことがわかります。

また、表3より、製造業部門に関しても価格・入荷遅延が60を超えており、先月に引き続きサービス部門と同様の問題を抱えていることがわかります。また、製造部門全体のコメントとしては、Growingであり、変化の速さはFasterとなっています。製造部門に関しても、景気は引き続き強いことが伺えます。

ISM調査員コメントをまとめます。製造業部門に関しては、先月同様、要求先導型であり、サプライチェーンによる制約を依然として受けています。雇用はGrowingからContractingとなったものの、各企業は中期的な人手不足を解消しつつあり、4月比で離職率はやや低くなっています。また、5月は価格上昇がわずかに緩和されましたが、エネルギー市場に関しては引き続き不安定となっています。景況感に関しては、要求増に伴い、引き続き楽観視されています。要求増に関しては、以下のポイントが要因と考えられています。(1)新規輸出注文の急増により新規受注数が増加したこと、(2)顧客在庫が依然として低い水準にあること、(3)受注残が増えていること、以上の点からです。

表2,3&コメントより考えると、アメリカ経済は引き続き強いのではないかと考えられます。金融引き締めを行った後、どれだけの期間強いか引き続き確認していきましょう。

結果(%)市場予想(%)前月(%)
製造業56.154.555.4
非製造業(サービス)55.956.457.1
表1 ISM景況感指数
図 ISM景況感指数推移
表2 非製造(サービス)業 レポート表2 表3 製造業 レポート

(雇用)5月度雇用統計

雇用者数は前月より落ち着いたものの、予想より強い結果となりました。失業率は0.1%だけ予測より増えたものの、前月と同様であり、十分強い結果であることがわかります。時給は予測通り推移しており、2か月前から引き続き減少しています

引き続き強い雇用統計ですが、直近3か月に関しては各項目の上昇率が穏やかになってきているように見えます。FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」を掲げており、「雇用の最大化」に関しては達成できていると言えます。この雇用が強い状態を維持できるよう(景気を失速させないよう)、金融政策を行っていくことを考えると、何か月にもわたって政策金利を0.5%ずつ上げていくとは考えにくいのではないかと思います。これは、急激に政策金利を上げてしまうと景気失速につながるためです。

5月度結果市場予想前月
雇用者数+39万人+32.5万人+42.8万人
失業率3.6%3.5%3.6%
時給(前年同月比)5.2%5.2%5.5%
表4 雇用統計
図 雇用統計推移

政策金利

5/31における6月以降の政策金利予測は表6のように、0.25~0.5%上昇が有力であり1.25~1.5%に落ち着くのではないかと予想されていました。しかし、6/3の雇用統計・ISM景況感の発表を受け、6/7時点政策金利予測は、若干高い側に遷移しています。特に7月以降の予測が高く出ています。これは、雇用統計・ISM引き続き強かったこと、インフレの収束を示す結果でなかったことから、今後のインフレ収束見通しが立ちそうにないと投資家が予測しているためであると考えられます。本金利予測は、将来のFRBによる政策金利がどれだけ上がるかを、金利先物をもとに計算したものになります。(参考:https://jp.investing.com/central-banks/fed-rate-monitor)この想定レートは都度更新されるため、定期的に確認していきましょう。

表5 政策金利予測(2022年5/31時点)
表6 政策金利予測(2022年5/31時点)

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